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帝国データバンク 年収調査で読む転職・交渉の実務|上場企業692.6万円と民間平均487万円の違い

帝国データバンク 年収調査では2025年度の上場企業平均年間給与は692.6万円でした。国税庁の民間平均487万円とは対象が異なります。本記事では両者の違いを整理し、転職・年収交渉で平均値をどう使うか、確認すべきポイントを実務目線で解説します。

相場の要点: 帝国データバンク調べの上場企業平均年間給与は2025年度決算で692.6万円(中央値661.6万円)、国税庁調べの民間平均給与は2025年分で487万円で、対象範囲が異なるため単純比較はできません。

帝国データバンク 年収調査が示す2025年度の水準

帝国データバンクが公表した上場企業の平均年間給与調査によると、2025年度決算期(2025年4月〜2026年3月期)の上場約3700社の平均年間給与は692.6万円でした。前年度の671.1万円から21.5万円・3.2%増え、2003年度以降で最高を更新しています。中央値は661.6万円で、平均値が一部の高給与企業に引っ張られている点も押さえておきましょう。

平均1,000万円以上の企業は235社・6.4%と過去最多です。業種別では海運業が1,120.1万円で唯一1,000万円台に乗せ、証券・商品先物取引業962.1万円、保険業936万円が続きます。市場別では東証プライムが793.2万円で、800万円台が目前となりました。

上場企業692.6万円と民間平均487万円は混同しない

国税庁の民間給与実態統計調査(2025年分)では、民間企業で働く人の平均給与は487万円(前年比1.9%増)でした。男性597万円・女性342万円、正社員559万円・正社員以外210万円という内訳です。

上場企業の692.6万円は規模の大きい企業の平均、487万円は給与所得者全体の平均であり、対象がまったく異なります。年収1,000万円超は約15人に1人という集計もあるように、平均値だけでは分布は見えません。

転職・交渉の実務ではどう使うか

第一に、応募先が上場企業なら有報の「平均年間給与・平均年齢・勤続年数」を確認しましょう。平均年齢が若いのに給与が高い企業は、若手への配分が厚い可能性があります。第二に、初年度年収の相場は平均像と一致しません。マイナビ転職の2026年8月調査では正社員求人の平均初年度年収は511.6万円、業種別トップは金融・保険の636.8万円でした。

毎月勤労統計調査(2026年8月分速報)では一般労働者の現金給与総額は399,849円で前年同月比3.7%増と、月給の伸びは続いています。

交渉では平均年収を根拠にせず、応募職種のレンジ・自分の実績・地域相場の3点で組み立てるのが安全です。給与データでは大卒(2025年・全規模)月給約262,300円、産労調査の2026年大卒一律約250,880円を参考値として掲載しています。関連する解説は記事一覧もあわせてご確認ください。

よくある質問

帝国データバンクの「上場企業平均692.6万円」と国税庁の「民間平均487万円」はどちらが正しいですか?

どちらも正しいですが対象が異なります。692.6万円は有価証券報告書に平均年間給与を記載した上場約3700社の平均、487万円は民間企業で働く給与所得者全体の平均です。規模の大きい企業が多い上場企業のほうが高く出るのは自然なため、自分の勤務先に近い条件の数値を選んで比較してください。

転職の年収交渉で平均年収は根拠になりますか?

平均年収そのものを交渉の根拠にするのは弱いです。応募先の想定年収レンジ、自分の実績や担当できる業務、地域の相場の3点で組み立てるのが現実的です。上場企業なら有報の平均年間給与・平均年齢・勤続年数を確認すると、給与テーブルの傾向を推測する材料になります。

平均年収が上がっているのに手取りが増えないのはなぜですか?

平均年収は税込の支給額であり、社会保険料や税金が差し引かれる前の金額です。また物価上昇が続く局面では、名目の賃金が増えても実質的な購買力の伸びは小さくなります。手取りは住民税や社会保険料の等級、扶養状況でも変わるため、額面と手取りは分けて考える必要があります。