年収高い仕事
年収高い仕事の「よくある誤解」|2026年公表の職種別年収で見る実態
「年収高い仕事」ランキングは平均値のため誤解も多いです。2026年に公表された厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、額面と手取りの違い、年収が高い職種ほど伸びていない実態、企業規模による差を整理し、転職時に確認すべきポイントを解説します。
相場の要点: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種別表をもとにした集計では、全体(産業計)の年収は約546万円、144職種の中央値は約503万円、最高は航空機操縦士の約1,632万円とされています(いずれも額面ベースの推計値)。
「年収高い仕事」を語る前に確認したい前提
「年収高い仕事」で検索すると、上位に医師やパイロットが並ぶランキングがよく出てきます。ただ、その数字の意味を押さえずに読むと判断を誤ります。
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種別表は2026年3月に公表されました。ここでの年収は、月々の「きまって支給する現金給与額」を12倍し、年間賞与などを足した額面ベースの推計です。統計自体に「年収」という項目はありません。手取りでもありません。
対象は常用労働者10人以上の企業で働く一般労働者(短時間労働者を除く)です。開業医や個人事業主、役員報酬、公務員、従業員10人未満の企業で働く人は十分に反映されません。給与データで扱う水準も、同じ性格の参考値だと考えてください。
2026年に公表された職種別年収の上位
同統計をもとにした集計では、全体(産業計)の年収は約546万円、144職種の中央値は約503万円でした。上位は次のとおりです。
- 1位 航空機操縦士:約1,632万円(平均年齢39.7歳、推計約8,400人)
- 2位 医師:約1,512万円
- 3位 その他の経営・金融・保険専門職業従事者:約1,135万円
- 4位 大学教授:約1,083万円
- 5位 歯科医師:約1,063万円
誤解1:「年収高い仕事」は手取りも同じだけ多い
年収は額面です。税金や社会保険料を引く前の金額なので、手取りは年収より小さくなります。また同じ額面でも賞与の比率が高い働き方は、業績悪化時に総額が動きやすくなります。月給・賞与・手当の内訳まで確認するのが実務的です。
誤解2:年収が高い職種ほど賃金が伸びている
ここは特に注意が必要です。2020年比の年収上昇率で上位に来たのは、外勤事務従事者(+64.0%)、タクシー運転者(+50.3%)、歯科医師(+41.3%)、公認会計士・税理士(+37.5%)などでした。
一方、年収水準が高い「医師」の上昇率は+7.5%、「看護師」は+6.8%、「小・中学校教員」は+2.4%、「高等学校教員」はマイナス2.4%、「バス運転者」は+5.2%です。同期間のCPI上昇率は+11.9%なので、これらは実質ベースで目減りしていることになります。賃金が公的な枠組みで決まりやすい職種は、人手不足が指摘されていても年収が伸びにくいという構図です。
誤解3:平均年収=その仕事に就けば得られる額
平均値は一部の高収入者に引っ張られます。航空機操縦士のように推計労働者数が約8,400人と少ない職種は、平均が振れやすい点にも留意が必要です。加えて企業規模の影響が大きく、同統計の産業計では従業員1,000人以上が約649万円、100〜999人が約518万円、10〜99人が約456万円でした。職種名だけでなく、勤務先の規模・地域・経験年数まで見てください。
転職を考える場合は、記事一覧で職種ごとの整理を確認しつつ、実際の求人票で給与の内訳を確かめるのが確実です。
よくある質問
「年収高い仕事」に転職すれば必ず年収は上がりますか?
いいえ。公表値は職種単位の平均で、同じ職種でも企業規模・地域・経験で幅があります。求人票の内訳と、自分の経験で応募できるかを確認してください。
医師や教員は年収水準が高いのに、なぜ上昇率が低いのですか?
賃金が公的制度や公的予算の枠組みで決まりやすいためです。CPI上昇率+11.9%に対し、実質ベースでは目減りしていると指摘されています。
公表されている年収は手取り額ですか?
いいえ、額面です。月給×12+賞与の推計値であり、手取りはこれより少なくなります。
よくある質問
「年収高い仕事」に転職すれば必ず年収は上がりますか?
いいえ。公表されているのは職種単位の平均値で、同じ職種でも企業規模・地域・経験年数により実額は大きく変わります。統計では従業員1,000人以上の企業が約649万円、10〜99人が約456万円と差があります。求人票の月給・賞与・手当の内訳と、自分の経験で応募できるかを確認してください。
医師や教員は年収水準が高いのに、なぜ上昇率が低いのですか?
賃金が公的制度や公的予算の枠組みで決まりやすいためです。2020年からのCPI上昇率が+11.9%であるのに対し、医師+7.5%、看護師+6.8%、小・中学校教員+2.4%、高等学校教員はマイナス2.4%で、実質ベースでは目減りしていると指摘されています。
公表されている年収は手取り額ですか?
いいえ、額面です。月々の「きまって支給する現金給与額」を12倍し、年間賞与その他特別給与額を足した、税金や社会保険料を引く前の推計値です。手取りはこれより少なくなります。
関連記事
年収
年収は年代・経験でどう変わる?最新統計から読み解く考え方
年収は年代や経験でどう変わるのかを、国税庁・厚生労働省の最新統計をもとに整理します。平均給与487万円の内訳、雇用形態・産業別の差、月給と賞与を含めた年収の捉え方、自分で確認する手順までを、誇張なく実務目線で解説します。
弁護士 年収
弁護士の年収は本当に1000万円超?統計で見る「よくある誤解」
弁護士 年収は公的統計で約765万〜971万円、求人ベースでは1,050万円前後と出典で大きく異なります。本記事では「法務従事者」区分の意味や収入と所得の違い、平均と中央値の乖離など、誤解しやすいポイントを公開統計だけを根拠に整理します。
世帯年収とは
世帯年収とは?平均給与との違いと「よくある誤解」を整理
世帯年収とは、生計を共にする世帯員全員の1年間の税引前所得を合算した金額です。本記事では、個人の平均給与との単位の違い、平均値と中央値のズレ、額面と手取りの差など、混同しやすいポイントを公的統計をもとに整理します。
ヒカル 年収
ヒカル 年収はいくら?月800万円の役員報酬と「よくある誤解」を整理
ヒカル 年収について、本人が公表した役員報酬「月800万円・年約1億円(税引き前)」と、第三者サイトの推定値の違いを整理します。年収・月収・手取り・総資産を混同しないための読み方と、会社員の給与水準との比較の注意点を解説します。
大日本印刷 年収
大日本印刷 年収861万円の「よくある誤解」|平均年収・初任給・手取りの違いを整理
大日本印刷 年収は2026年3月期の有価証券報告書で平均年間給与861万円(単体・賞与込み・全従業員平均)です。この数字が「全員の年収」「手取り」「月給」ではない理由を、初任給や推移の公開データとあわせて中立に整理します。
マツダ 年収
マツダ 年収は本当に低い?平均711万円の「よくある誤解」を整理
マツダ 年収の最新公表値は2026年3月期有報で平均711万2,000円。平均年齢42.5歳・賞与込みの単純平均であり、初任給や中途入社の実額とは別物です。初任給・手取り・賞与の注意点と、転職時に見るべき求人レンジを事実ベースで整理します。